坂本光司先生の経営学：「福利厚生」について(15)

投稿日：2020年11月16日更新日：2021年6月26日

こんにちは。　坂本光司先生(人を大切にする経営学会会長)は、著書 ”日本でいちばん社員のやる気が上がる会社(2016年出版)”のなかで、”社員のモチベーションを上げる制度”を「1)子育て、2)メモリアル、3)就業条件、4)職場環境、5)親睦、6)教育、7)生活、8)健康、9)食事、10)その他」の観点から具体的に紹介されています。

　本日も、「社員のモチベーションを上げる制度」の一部をご紹介させて頂きますので、ご参考にして頂ければ幸いです。

１.”就業条件”について11
　− 生涯現役・定年なし −
２.”就業条件”について12
　− 全社員が正社員雇用 −

１.”就業条件”について11
　− 生涯現役・定年なし −

　愛知県豊橋市に、工作機械などの製造販売をしている”西島”という会社があります。同社には、”定年”という制度がありません。「生涯現役で会社に必要とされ働き続けたい」と思う元気な高齢者が増えているのです。

⚪️65歳以上が10名、最高齢は78歳(2016年時点)

　同社の経営方針には、”定年ナシ・学歴関係ナシ・技術に限界ナシ”と書かれています。定年という制度がなく、”個々の社員が辞めたいときが定年”なのです。2016年時点で、65歳以上の社員が10名おり、最高年齢78歳の社員は中学を卒業後入社し勤続62年になります。

⚪️健康である限り一生働ける会社に

　同社では、本人が希望すれば‥”社員は健康である限り一生安心して働く”ことが約束されています。年々”労働力人口”が減少してるなか、それを補う労働力として”高齢者”の活躍はますます重要になってくるのではないでしょうか。

２.”就業条件”について12
　− 全社員が正社員雇用 −

　福島市に、学校体育着の専門メーカーである”クラロン”という会社があります。同社には、定年を超えた高齢者や障がい者などが在籍していますが”全員が正社員として雇用”されています。その人の得意や興味にあった適材適所を実践したり、その人にも対応できるような業務にするなど、障がい者や高齢者、女性の能力を最大限に引き出している会社です。