坂本光司先生の経営学：「福利厚生」について(13)

こんにちは。　坂本光司先生(人を大切にする経営学会会長)は、著書 ”日本でいちばん社員のやる気が上がる会社(2016年出版)”のなかで、”社員のモチベーションを上げる制度”を「1)子育て、2)メモリアル、3)就業条件、4)職場環境、5)親睦、6)教育、7)生活、8)健康、9)食事、10)その他」の観点から具体的に紹介されています。

　本日も、「社員のモチベーションを上げる制度」の一部をご紹介させて頂きますので、ご参考にして頂ければ幸いです。

１.”就業条件”について⑦
　− 何回でも復職が可能 −
２.”就業条件”について⑧
　− 週1回、出勤を1時間遅くできる −

１.”就業条件”について⑦
　− 何回でも復職が可能 −

　岐阜県大垣市に、障がい者の就労支援や医療系のシステム開発を行っている”ウェルテクノス”という会社があります。重度障がい者であった創業者が、『就職活動していた際に”障がいがあることを理由に入社を断られた”』経験から、この会社を創業しました。

⚪️子どもの病気で、２度休職、２度復職

　１つのエピソードをお伝えします。「1人の女性社員の子どもが白血病になり彼女が辞職を申し出たのですが、社長から『お休みでいいです』と”休職”することになりました。子どもが退院してもフルタイム勤務は難しいと彼女が別の職を探していたら、社長から「週1日でもどうぞ」と電話があり復職することになりました。しかし、抗がん剤治療で子どもが再び体調を崩し再び休職を余儀なくされましたが、子どもが安定した頃『そろそろ復職しませんか？』と社長から連絡があり再び復職することになりました。」彼女は、社長や仲間の優しさもあって、遅刻や早退をしながら勤務を続けているとのことです。

⚪️オーダーメイドの働き方をつくる

　同社では、”1人ひとりの事情に合わせた『オーダーメイドの働き方』を社員とともにつくり運用”しています。「社員に優しい会社なので、皆さん安心して、本当にのびのびと働いています。」と、先ほどの女性社員が言ってくれました。

２.”就業条件”について⑧
　− 週1回、出勤を1時間遅くできる −

　島根県松江市に、環境基本計画などのコンサルティングを行う”エブリプラン”という会社があります。同社では、社員が働きやすい職場環境にするために”ニコニコ出勤制”という制度を導入しました。”１週間に1日だけ、出勤時間を1時間遅らせる(就労時間が1時間短くなる)ことができる制度”です。

⚪️毎週水曜日は朝ゆっくりできます

　同制度の運用にあたっては、”各社員の生活実態を踏まえて、『ニコニコ出勤』が特定の曜日に集中しないようにグループ内で調整”しています。ある女性社員は「毎週水曜日にこの制度を利用していますが、”1時間長く睡眠をとったり、少し丁寧に家事を行う”ことなどで、『心身のリフレッシュ』ができています。」と、喜んでいます。