こんにちは。 坂本光司先生(人を大切にする経営学会会長)は、著書 ”経営者のノート”のなかで「1)企業の”あり方”について、2)経営者の”あり方”について、3)企業の”やり方”について、4)”企業と社員”について、5)”正しくある”ことについて」それぞれ指針を示されています。
本日も、「企業の”やり方”について」の一部をご紹介させて頂き、個人的に感じていることについてもお伝えできればと思います。
1.企業の”やり方”について 27
− 協力企業に対し理不尽な取引を強要してはならない −
2.企業の”やり方”について 28
− いい企業になりたければいい企業と取引することである −
1.企業の”やり方”について 27
− 協力企業に対し理不尽な取引を強要してはならない −
⚪️協力企業・仕入先に対して
理不尽な取引を強要してはならない。
坂本先生は、こう述べられています。「すべての企業は、程度の差こそあれ、他社の支援・協力によって成立している。そのひとつが、”協力企業”、”仕入先”、”下請企業”などと呼ばれる企業である。発注企業は、それらの企業に”自社ではできない・やりたくない仕事”を発注し、完成品の生産や販売をしているのである。しかし、多くの”協力企業”、”仕入先”、”下請企業”は、発注企業の高飛車な取引姿勢や、明らかに理不尽と思われる取引を強要されて苦しんでいるのが実態である。こうした関係性は、どう考えても間違っている。『誰かの犠牲の上に成り立つ経営は、決して長続きしない』ことを肝に銘じ、自分が相手の立場だったらという姿勢で、取引先を大切にする経営をすべきである。」
京都府宇治市に”HILLTOP(ヒルトップ)”という会社があります。製品1点から製造依頼を受け、新規受注なら5日、再受注なら3日という超短納期で”設計・製造”をおこなう会社です。”HILLTOP”は、以前は大量生産品を受注していましたが、その扱いをやめ、あえて”難易度の高い試作品”や”数が少なく短納期なため他社では受注できない分野”に特化しました。それを可能にしているのが、”HILLTOP System”という製造工程管理システムです。製造現場の職人の熟練した技術をデータ化、可視化して技術の再現性を高めたことにより、”多品種・単品・超短納期”を実現したのです。
坂本先生がいわれている”理不尽と思われる取引を強要する企業”は、”HILLTOP”のようにやがて取引をしてもらえなくなるでしょう。
2.企業の”やり方”について 28
− いい企業になりたければいい企業と取引することである −
⚪️いい企業になりたければ、
いい企業と取引することである。
坂本先生は、こう述べられています。「『いい人間になりたければ、いい人とお付き合いすることだ』といわれる。このことは、企業の取引先の選定でも同じことがいえる。取引すべき”いい企業”とは、次の①から⑩までの条件を満たす企業である。
①対等なパートナー企業として評価し、位置付けている
②一方的なコストダウンなどは決してしない
③支払いは、手形ではなくすべて現金である
④締め後の支払日は、20日以内である
⑤第3者から、長期にわたって取引している仕事の競争見積もりをとらない
⑥理不尽と思えるような納品はさせない
⑦適正価格で発注する
⑧改善提案で得た利益を横取りしない
⑨受注者に瑕疵がないのに転注や内製化はしない
⑩残業せざるを得ないような発注や納期を定めない
これらに該当しない企業は、相手企業を幸せにしない”ブラック企業”なので、可能な限り早く取引をやめるべきである。」
”人を大切にする経営学会”には、坂本先生がいわれているような”いい企業”がたくさん集まっています。”いい企業”は、ここでのご縁をきっかけに”いい企業”どうし取引をされているようです。あなたの企業も、”いい企業”とお付き合いできるように”人を大切にする経営学会”に参加されてみては如何でしょうか。
注)詳細は、下記の本に掲載されていますので、ご確認願います。