こんにちは。 坂本光司先生(人を大切にする経営学会会長)は、著書 ”経営者のノート”のなかで「1)企業の”あり方”について、2)経営者の”あり方”について、3)企業の”やり方”について、4)”企業と社員”について、5)”正しくある”ことについて」それぞれ指針を示されています。
本日も、「企業の”やり方”について」の一部をご紹介させて頂き、個人的に感じていることについてもお伝えできればと思います。
1.企業の”やり方”について 21
− 経費には”決してケチってはならない”ものがある −
2.企業の”やり方”について 22
− 企業という場は”学びの場・教育の場”である −
1.企業の”やり方”について 21
− 経費には”決してケチってはならない”ものがある −
⚪️経費には、ケチってよいものと、
どんな時代であっても
決してケチってはならないものがある。
坂本先生は、こう述べられています。「経費には、今日のためにかける”現在経費”と、明日のためにかける”未来経費”がある。前者は”社員の給料や商品の生産・販売等今日の企業活動を維持するためのもの”で、後者は”人材の確保や育成にかかわる費用や新商品開発など研究開発費など”である。”未来経費”は、今日かけたところで直ぐに成果が出るようなものではないが、かけ続けなければ未来が危うくなる”ような経費である。だからこそ、企業を継続させたいと思うなら、”未来経費”を決してケチってはならないのです。」
長野県伊那市に”伊那食品工業”という会社があります。48年間、増収増益を続けた寒天メーカーです。この会社の経営方針の1つは「成長の種まきを怠らない」です。”伊那食品工業”の創業者は、こう言います。「会社を継続させるために、成長の種まきを怠りません。種をまかなければ、新商品開発の可能性はゼロです。種を千まいて三つ芽が出れば それでも0.3%の可能性があるのですから、種をまき続けなければならないのです。会社を継続させて、社員を幸せにするために‥。」なぜ、”未来経費”をケチってはならないか、お分かりになると思います。
2.企業の”やり方”について 22
− 企業という場は”学びの場・教育の場”である −
⚪️企業という場は、人生最後の
長い長い学びの場・教育の場である。
坂本先生は、こう述べられています。「大学や大学院での学びが、人生最後の学びの場と思ったら大間違いである。人生最後の学びの場は、”企業”という名のビジネススクールであり、働いている限り人生で最も長く続く。企業の成長・発展は、”社員の成長の総和”である。それゆえに、企業は社員を成長させるスクールでなければならない。では、どの程度の”時間と労力”を教育にかけるべきなのか。そのバロメーターは、3つある。
第1は、売上高にしめる教育訓練費が”1%以上”
第2は、社員1人あたりの年間教育訓練費が”10万円以上”
第3は、年間所定内労働時間にしめる教育訓練時間が”5%以上”である。」
東京都新宿区に、”水上印刷”という総合グラフィックサービスを行う会社があります。”水上印刷”は「日本一勉強する会社になろう」を合言葉に、全社員が社員教育に徹底的に取り組んでいます。教育にかける時間は、年間所定内労働時間の10%にも相当します。社内に、教育機関として”MIC・ACADEMY”を開校し、講師は選ばれた社員が務めます。教える内容は、”印刷技術”に関することも一部ありますが、大半は”経営”、”ビジネス実務”、”人財開発”、”マーケティング”、”クリエイティブ”など広範囲にわたり、講座数は130を超えるそうです。ここで、社員たちは自分を磨き、成長していくのです。
注)詳細は、下記の本に掲載されていますので、ご確認願います。