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坂本光司先生の経営学:企業の「やり方」について(9)

投稿日:2020年10月11日 更新日:

こんにちは。 坂本光司先生(人を大切にする経営学会会長)は、著書 ”経営者のノート”のなかで「1)企業の”あり方”について、2)経営者の”あり方”について、3)企業の”やり方”について、4)”企業と社員”について、5)”正しくある”ことについて」それぞれ指針を示されています。

 本日も、「企業の”やり方”について」の一部をご紹介させて頂き、個人的に感じていることについてもお伝えできればと思います。

1.企業の”やり方”について 17
 − 本社は限りなく小さいほうがよい −

2.企業の”やり方”について 18
 − 企業にとって1%の不良品でも顧客にとっては100%の不良品である −

 

1.企業の”やり方”について 17
 − 本社は限りなく小さいほうがよい −

⚪️本社は限りなく小さいほうがよい。
 本社要員は、本社の正当性を示すために、
 次から次に”管理”というくだらない仕事を
 つくるからである。

 坂本先生は、こう述べられています。「多くの企業は、自社の経営問題を生産・販売・研究開発の問題ととらえ、その現場の改善・改革活動に取り組む。しかし、より大きな問題は、そこに指示を出している本社であることが多い。本社とは、人事・経理・総務・情報システムなどの管理部門であるが、そこで日常的に管理業務を行なっている社員が多すぎる。本社は、総じて自らの正当性を誇示しようと次から次に現場を管理するためのくだらない仕事をつくる。その結果現場は、本来顧客に振り向けるべき時間を、本社への書類提出のために費やしてしまうのである。」

 私は、以前所属していた企業で、しばらく本社スタッフをした経験があります。経営トップの要請で、現場の実態を把握するために”調査・報告依頼”を現場にすることがたびたびありました。その時に感じたことはいろいろありますが、個人的に大切だと考えたことを2つお伝えしたいと思います。1つは、「無駄だと思う仕事は極力止める」ことです。坂本先生の言われるように、現場もスタッフも大切な仕事に時間を使うことができるからです。もう1つは、「経営者、現場、それぞれの立場に立ってその問題を捉える」ことです。1つの問題でも、経営者からの捉え方と現場での捉え方が異なることがあります。それぞれを理解しないと、その問題の本質が見えないことがあると感じていました。経営者が的確な経営判断をするためにも、スタッフはその問題の本質が見える材料を提供しなければならないと思います。それができれば、意味のある仕事となるでしょう。

 

2.企業の”やり方”について 18
 − 企業にとって1%の不良品でも顧客にとっては100%の不良品である −

⚪️企業にとっては1%の不良品であっても、
 それがたまたま当たった顧客にとっては
 100%の不良品である。”たった1%”ではない。

 坂本先生は、こう述べられています。「1人の社員が、劣悪なサービスを行なったとする。企業にとっては多くの社員のうちの”たった1人”であるが、それがたまたま当たった顧客にとっては100%の不良サービスである。「1%くらいは‥」と放置しておくと、取り返しのつかないことになる。顧客とも思わないような迷惑千万なサービスを受けた顧客は、二度とその企業に行かなくなるからだ。それどころか、悪い評判はまるで伝染病のように広がっていくであろう。1%も不良品を出さない方法の1つは、”人柄のよい人財を確保・育成し、いつでも顧客が感動するような仕事をしてくれるような経営をすることである。“」

 大阪に本店がある”ル・クロ”というフランス料理店があります。”ル・クロ”は、ウェディングレストランも経営しており、そこで出す婚礼料理は”すべてのゲストの希望に沿って用意される”のです。「肉の焼き加減まで、1人1人の好みに応じてメニューを用意します。これは、厨房でおそろしく手間のかかる仕事です。また、サービスも、1人1人違う料理を提供するので大変になります。」なぜ、そこまでするのでしょうか。それは、”多くの人にとって結婚式はたった1度のものだからこそ、お客様のために丁寧な仕事をしたい”と、”ル・クロ”は考えているからです。こういうお店なら、不良サービスは生まれないと思います。

 

注)詳細は、下記の本に掲載されていますので、ご確認願います。

 

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今まで、企業、団体でいろいろな仕事をさせて頂き、多くの方々のご支援を頂きました。そのご恩返しとの想いもあり「みんながともに安定し豊かに生きられる社会」になればと活動を始めました。「”人を大切にするいい会社、組織”が増え、そこに関わる人や企業が増えるための支援活動」ができればと考えています。