こんにちは。 坂本光司先生(人を大切にする経営学会会長)は、著書 ”経営者のノート”のなかで「1)企業の”あり方”について、2)経営者の”あり方”について、3)企業の”やり方”について、4)”企業と社員”について、5)”正しくある”ことについて」それぞれ指針を示されています。
本日も、「企業の”やり方”について」の一部をご紹介させて頂き、個人的に感じていることについてもお伝えできればと思います。
1.企業の”やり方”について 15
− 時代は感動のサービスを求めている −
2.企業の”やり方”について 16
− 顧客には”現在顧客”と”未来顧客”がある −
1.企業の”やり方”について 15
− 時代は感動のサービスを求めている −
⚪️時代は免責のサービスではなく、
感動・驚愕のサービスを求めている。
坂本先生は、こう述べられています。「物的欲求がほぼ満たされ、代替需要や選択需要が買い物の中心となり、モノよりも心をより満たしたいと考える人々が多数派となった今日では、”義務的サービス”や”当然サービス”のレベルでは選択需要に応えることができないばかりか、心の需要を満たすことなど とうていできない。第1段階の”義務的サービス”、第2段階の”当然サービス”、第3段階の”期待サービス”のレベルから、より高次の欲求である第4段階の”感動サービス”や、第5段階の”驚愕・感嘆サービス”が強く求められる。こうしたより高次の欲求を満たすことができない企業は、やがて顧客からすてられることになる。その対策の担い手は、人柄のよい社員である。」
香川県に”徳武産業”という会社があります。高齢者や障がい者のケアシューズで市場シェア日本一の会社です。同社では、お客様から注文を受けた特注のシューズをお客様に直送する際に”真心のはがき”という社員が手書きで書いたはがきを同封します。「いつの日か、このシューズを履いて香川県に遊びにいらしてください。秋の栗林公園がいちばんおすすめです。その折には、私の会社にも是非お立ち寄りください。‥」また、購入から2年間”お客様への誕生日プレゼント”をメッセージカードとともに贈ります。「誕生日を心からお祝い申し上げます。何にしようか迷いましたが、皆と相談して今年は○○にしました。‥これからも、ずーっとずーっと元気で長生きしてくださいね。」徳武産業には、お客様からのサンキューレターがゆうに1万通を越すほど届いています。それを、全社員が回覧して読んでいるそうです。
2.企業の”やり方”について 16
− 顧客には”現在顧客”と”未来顧客”がある −
⚪️顧客には、”現在顧客”と”未来顧客”がある。
どちらも同様に、大切にしなければならない。
坂本先生は、こう述べられています。「企業経営では、顧客を”買い物に来てくれた人”と”買い物に来てくれなかった人”に2分してしまう傾向がある。大量に商品を購入してくれた人を”Aランク客”などと評価づけし、その他のお店に来ただけの人などは顧客とみなさない。こうした評価・区分は、間違っている。その時のスタッフの対応の仕方で、”たまたま(買い物にきた)客”が”わざわざ(買いに来てくれる)客”になるケースは、山ほどあるからである。顧客を”買ってくれた人”と”買わなかった人”という区分ではなく、”現在顧客”と”未来顧客”として評価し、どちらの顧客に対しても感動価値・驚嘆価値を提供するべきなのである。」
高知市にある”ネッツトヨタ南国”という会社が、坂本先生の著書”人に喜ばれる仕事をしよう”で紹介されています。「自動車の販売店ですが、美しいショールームには売り物である車が1台もありません。本や雑誌がたくさん並んだ本棚と素敵なテーブルと椅子がゆったりと並べられているだけです。座っていると、スタッフが笑顔で近づいて来て飲みものの注文を聞いてくれます。ココア・ジュース・昆布茶・アイスクリームまでそろっていて、すべて無料なのです。車とは無縁と思われる老夫婦などすべての人に分けへだてなく、見事なまでに相手の側に立って感動サービスを提供しているのです。」全国の自動車ディーラーのなかで、抜きんでて高評価を受け続けている理由がよく分かると思います。
注)詳細は、下記の本に掲載されていますので、ご確認願います。