こんにちは。 坂本光司先生(人を大切にする経営学会会長)は、著書 ”経営者のノート”のなかで「1)企業の”あり方”について、2)経営者の”あり方”について、3)企業の”やり方”について、4)”企業と社員”について、5)”正しくある”ことについて」それぞれ指針を示されています。
本日から、「企業の”やり方”について」の一部をご紹介させて頂き、個人的に感じていることについてもお伝えできればと思います。
1.企業の”やり方”について ①
− 企業の盛衰は”有効供給の有無”で決まる −
2.企業の”やり方”について ②
− ミクロが時代をつくる −
1.企業の”やり方”について ①
− 企業の盛衰は”有効供給の有無”で決まる −
⚪️企業の盛衰は、需要の原理ではなく、
供給の原理、つまり「有効供給の有無」で決まる。
坂本先生は、こう述べられています。「伝統的経済学では、”不況は有効需要の不足によってもたらされる”とある。しかし、”好不況にかかわらず、長期にわたり好業績を持続している企業が全国各地に数多く存在している”。つまり問題の所在は、有効需要の不足ではなく、有効供給の不足なのである。事実、長期にわたり好業績を維持している企業に共通しているのは、好不況にかかわらず顧客が喉から手が出るほど欲しくなる感動商品や感動サービスを創造し、それをタイムリーに市場に提案している点である。」
”人を大切にする経営学会”には、多くの”人を大切にする会社”が参画されています。その中には、驚くような”感動商品”や”感動サービス”を提供している会社があります。1つ例をあげると‥島根県の石見銀山の麓に”中村ブレイス”という会社があります。義足や義手、サポーターなどを製造販売している会社ですが、好況も不況も関係なく好業績を続けています。なぜなら、”世のなかに本当に必要なものをつくっている”からです。創業者は、「世界に1つしかない本当の物づくりを通して社会に貢献したい」と この会社を創立され、”弱者に優しい、人間の尊厳を高めるような製品”を提供しています。今や、世界中からお客さんの注文が殺到し、ここで働きたいと日本中から入社希望者が集まってきます。坂本先生の言われている”有効供給の大切さ”が分かる例だと思います。
2.企業の”やり方”について ②
− ミクロが時代をつくる −
⚪️マクロではなく、ミクロが時代をつくる。
坂本先生は、こう述べられています。「いつの時代も、”マクロ”ではなく”ミクロ”、とりわけ”尖ったミクロ”が時代をつくってきた。”マクロ”とは、全体・多数派のことであり、”ミクロ”とは、個・少数派のことである。長い歴史を紐解くと、”尖ったミクロ”の大半は、時代や平和の破壊者とみなされ、迫害や抹殺をされてきた。しかし、いつの時代も、奇人・変人扱いされる”ミクロ”が時代の先駆けとなり、行動を起こし周囲に影響を及ぼし、やがて時代の常識・理論となってきた。こうした歴史の事実をみれば、学ぶべきは、多数派の言動や確立された学理論ではなく、奇人・変人・異端と呼ばれる個人や企業の言動、非常識・異端とさえ言われる学理論なのである。」
私は、子どもの頃から”集団の中心で活躍している人たち”ではなく、”みんなから注目されない大人しい少数派の人たち”が気になるタイプでした。子どもにも”子ども社会”というものがあり、そのなかで中心となる子どもたちがいてそれを取り囲むように多数派が存在していました。何となく多数派に入れない子どもたちが少数派として存在しており、私はどちらかというと少数派の人たちと仲良くしていました。なぜそのような行動をとったのか、未だに明確な理由は分かりませんが、「多数派、少数派というように、集団が分断されるような雰囲気になるのが生理的に嫌だった」のだと思います。極力「みんなが同じレベルで一緒に行動できるようにしたかった。」それが、そのときの純粋な気持ちだったように思います。成長しても、私のその行動様式は変わりませんでした。
しかし、今考えると、それだけではなかったように感じています。少数派の人たちのなかには、”とても面白い考えやアイデアを持っている人たち”が確かにいるのです。多数派のなかにいたら”言いにくい”のかもしれませんが、少数派の人たちには”枠にとらわれない自由な発想の人たち”がいました。私は、そういう人たちの意見を求めており、多いに刺激を受けていたのだと思います。坂本先生が言われる”ミクロ”とは、そのような人たちのことなのだと改めて思いました。
注)詳細は、下記の本に掲載されていますので、ご確認願います。