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坂本光司先生の経営学:企業の「やり方」について(6)

投稿日:2020年10月8日 更新日:

こんにちは。 坂本光司先生(人を大切にする経営学会会長)は、著書 ”経営者のノート”のなかで「1)企業の”あり方”について、2)経営者の”あり方”について、3)企業の”やり方”について、4)”企業と社員”について、5)”正しくある”ことについて」それぞれ指針を示されています。

 本日も、「企業の”やり方”について」の一部をご紹介させて頂き、個人的に感じていることについてもお伝えできればと思います。

1.企業の”やり方”について 11
 − 異常が長く続くと異常があたかも正常に見える −

2.企業の”やり方”について 12
 − 中小企業には決してやってはいけない3つの競争がある −

 

1.企業の”やり方”について 11
 − 異常が長く続くと異常があたかも正常に見える −

⚪️異常が長く続くと、異常があたかも正常に見え、
 正常があたかも異常に見える。

 坂本先生は、こう述べられています。「世の中には、”正常なこと”と”異常なこと”がある。バブル期の株価や地価、税収や企業の業績と比べて近年の経済指標の低さを嘆いている関係者もいるが、比較すること自体が間違っている。バブル期と、その前の10・20年間の経済指標を比較すれば、バブル期の指標が突出して”異常”なことぐらいすぐわかる。異常と比較すれば、正常のことまで異常に見えてしまうのである。また、”異常”は、時として想像を絶するほど長く続くことがある。そのため多くの人々は、”異常”を”正常”と勘違いしてしまい、”異常”をモノサシにして生きることを考えてしまう。」

 バブルを経験した人は、「その時は、よかったね」などと懐かしむ人も多いように思います。しかし、坂本先生が言われるように”バブルは、明らかに異常であった”と私も思います。「”何も生産されない、何の付加価値も生まないのに、あるものを右から左に移しただけで利益が生まれる”ようなことが、繰り返された時代でした。明らかに”異常”な状況なので、こういうことがいつまでも続くはずがない。」そういうふうに考えていた人は、バブルがはじけても大きな打撃を被らずに済んだことでしょう。これが”正常”だと勘違いしてしまった人は、大きな損害を被ったり、自分の会社を倒産させてしまったことと思います。常日頃から、「”何が正しいか、自然なことか”と考える」ようにしていれば、”正常”と”異常”も判断できるのではないでしょうか‥。

 

2.企業の”やり方”について 12
 − 中小企業には決してやってはいけない3つの競争がある −

⚪️中小企業には、決してやってはいけない3つの競争がある。

 坂本先生は、こう述べられています。「中小企業には、決してやってはいけない競争がある。第1は”価格競争”。第2は”規模・成長競争”。第3は”社員間の業績競争”である。”価格競争”をすれば、必ず”他社との競争”にさらされ、やがて親しい同業者を失うばかりか、社員を心身ともに疲弊させていく。”規模・成長競争”をすると、それを目的とした経営に走ってしまい、無理な投資、バランスを著しく欠いた経営となることが多い。”社員間の業績競争”は、本来同士であるべき仲間を勝ち組・負け組に二分してしまい、職場内で助け合うどころか足を引っ張り合うことになり生産性が低下してしまう。最良の競争は、負け組をつくらない競争である。」

 私的なことで恐縮ですが‥私が以前所属していた会社で”社員間の競争”と思われる経験をしたことがありました。私は、若い時代から”同じ会社の人は仲間”という意識で仕事をしていましたので、仕事で関係する人や協力してほしい人たちに対しては「自分が考えていること、実行したいと思っていることなどを、すべてオープンに伝える」ようにしていました。それが会社にとって、最もいい仕事の進め方だと考えていたのです。
 ところが、私がマネージャーくらいのとき、同じマネージャーの中のほんの一部の人ですが、私を”仲間”ではなく”競争相手”として考えてしまったのでしょうか。会社にとって重要な情報を”自分だけが知って対応を進め、私や他のマネジャーにはその情報を伝えてくれなかった‥”という経験をしたことがありました。このような状況は、会社にとっても関係する人々にとっても決してよくないことだと思います。

 

注)詳細は、下記の本に掲載されていますので、ご確認願います。

 

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今まで、企業、団体でいろいろな仕事をさせて頂き、多くの方々のご支援を頂きました。そのご恩返しとの想いもあり「みんながともに安定し豊かに生きられる社会」になればと活動を始めました。「”人を大切にするいい会社、組織”が増え、そこに関わる人や企業が増えるための支援活動」ができればと考えています。