こんにちは。 坂本光司先生(人を大切にする経営学会会長)は、著書 ”経営者のノート”のなかで「1)企業の”あり方”について、2)経営者の”あり方”について、3)企業の”やり方”について、4)”企業と社員”について、5)”正しくある”ことについて」それぞれ指針を示されています。
本日も、「企業の”やり方”について」の一部をご紹介させて頂き、個人的に感じていることについてもお伝えできればと思います。
1.企業の”やり方”について ⑦
− ”問題がない”ということは問題である −
2.企業の”やり方”について ⑧
− 経営者が対処すべきは本質問題の除去である −
1.企業の”やり方”について ⑦
− ”問題がない”ということは問題である −
⚪️”問題”とは、”あるべき姿 − 現状” のことである。
その”問題がない”ことこそが問題である。
坂本先生は、こう述べられています。「”問題”とは、”あるべき姿 − 現状”のことである。この意味では、”あるべき姿”と”現状”が”見える化されていなければ、そもそも問題があるかないかも分からない。ところが、多くの企業はこの基本的な問題論への認識が甘いといわざるを得ない。経営者や幹部社員の多くは、企業経営の未来の”あるべき姿”と”現状”を、定性的・定量的にとらえていないからである。また、”あるべき姿”をどのレベルに置くかによっても、問題の所在や規模、対策の仕方が大きく異なってくるのである。」
私が元所属した企業では、”中長期計画”を策定し、それに沿った形で”単年度の経営計画”を策定していました。私は、計画を策定すること自体は自らの目標が明確になるので、とてもいいことだと考えています。しかし、その運用面では改善の余地がある、と以前から考えていました。この中長期計画は、いくつかの外部要因や内部要因を理由に、途中で修正されることが多かったのです。今回のコロナ禍が理由で修正するのは やむを得ないと思いますが、修正の頻度がかなり多かった。その原因は、坂本先生が言われている”あるべき姿 − 現状”の問題が明確にできておらず、その解決をせぬままに計画を策定しているからだと個人的には感じています。「”問題”の追求は、時間がかかり難しい。その解決となるとなおさら労力がかかる。日々多忙ななかで、それだけの時間と労力をかけることは難しい」というのが、そのときの経営判断だったと私は理解しています。坂本先生は、それを”甘い”と表現しておられます。真に”問題”を明確にし、その除去に取り組まなければ、いつまでも”あるべき姿”には到達できないでしょう。
2.企業の”やり方”について ⑧
− 経営者が対処すべきは本質問題の除去である −
⚪️問題には、”現象問題”と”本質問題”の2つがある。
経営者が対処すべきは”本質問題”の除去である。
坂本先生は、こう述べられています。「問題には、”現象問題”と”本質問題”の2つがある。例えば、高熱を発した場合‥単なる風邪でも、ガンなど重大な内臓疾患のある場合でも、高熱がでる。風邪が原因であれば、風邪薬などを飲みしばらく安静にして体力を回復すれば、やがて治癒する。しかし、風邪などでなくガンを患っていることが原因であれば、風邪薬を飲んで安静にしていても治癒することはない。1日も早く入院して”本質問題”であるガン細胞を除去しなければ高熱はいっこうに下がらない。企業経営でも同様である。売上高や利益額の減少は、本質問題ではなく”現状問題”である。経営者が対処しなければならないのは、現象問題ではなく”本質問題”の除去なのである。」
”人を大切にする会社”には、好不況に関係なく何十年も”増収増益”を継続している会社が数多くあります。なぜ、そのようなことが可能なのでしょうか。私は次のように思います。「どの会社でも売上高や利益額が減少していれば、売上高向上や利益額向上の努力をします。しかし、場当たり的な対策をこうじたり、社員に無理なノルマを課して無理やり増収増益を果たした場合は、”本質的な問題”を解決できていないので、暫くしたらまた減収減益になる可能性が高い。人を大切にする会社では、”会社から大切にされていることを実感している社員たち”は、会社をさらによくしようと”本質的な問題が会社のどこにあるか”真剣に検討し、その解決に向けた努力をします。そのことが、”本質問題”の除去につながり、会社の増収増益に繋がっているのではないでしょうか。」
注)詳細は、下記の本に掲載されていますので、ご確認願います。
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