こんにちは。 坂本光司先生(人を大切にする経営学会会長)は、著書 ”経営者のノート”のなかで「1)企業の”あり方”について、2)経営者の”あり方”について、3)企業の”やり方”について、4)”企業と社員”について、5)”正しくある”ことについて」それぞれ指針を示されています。
本日も、「経営者の”あり方”について」の一部をご紹介させて頂き、個人的に感じていることについてもお伝えできればと思います。
<本記事の内容>
1.経営者の”あり方”について 11
− 経営者は常に自らに強い圧をかけて生きるべきである −
2.経営者の”あり方”について 12
− 経営者が重視すべきは継続である −
1.経営者の”あり方”について 11
− 経営者は常に自らに強い圧をかけて生きるべきである −
⚪️経営者やリーダーは、
常に自らに強い圧をかけて生きるべきである。
坂本先生は、こう述べられています。「経営者や幹部社員は、常に自らに強い圧をかけ、正しい生き方をしなければならない。なぜなら、人は人事権をもっている人に対して、反対するような助言や提案をめったにしてくれないからである。企業経営では、ときには 自分の経営の考え方や進め方の誤りを正すことが必要な場合があるのである。
それでは、”自らに圧をかける生き方”とは、どのようにするべきなのか?
”自分が社員だったら‥”、”自分が顧客だったら‥”、”自分が障がい者だったら‥”といった視点に立脚してものごとを考える経営者や幹部社員になることです。」
「人のたちばになって考え、行動する」といいます。私がもっとも大切にしていることばの1つですが、このことを実践するのはなかなか難しいものです。
そのときの自分の置かれている状況を改善しなければならないときや、解決しなければならない課題があったときなどに、つい”自分本位にものごとを考えてしまい、関係する人に対する配慮に欠ける行動をしてしまった”ことが、私も過去に幾度もありました。坂本先生は、それゆえ「経営者や幹部社員は、常に自らに強い圧をかけ、自らを律し、正しい生き方をしなければならない」と言われていると思います。なぜなら、経営者や幹部社員は、関係するすべての人たちを幸せにする役割があるからです。
2.経営者の”あり方”について 12
− 経営者が重視すべきは継続である −
⚪️経営者や幹部社員が重視すべきは、
短期の業績ではなく継続である。
坂本先生は、こう述べられています。「多くの経営者や幹部社員は、”業績”を高めることにとりわけ関心が高く、そのための手段を問わない。業績を上げるために、幸せにすべき社員にノルマを課し、協力企業には理不尽なことを強要する。企業の損得をモノサシに、顧客に平気で嘘をつく。しかし、こうした短期の業績を重視した経営は間違っている。私たちは、短期の業績にこだわるよりも、社員とその家族を路頭に迷わせないために潰さない経営、継続こそを重視する企業経営を高く評価する。」
長年企業に在籍していると、時代の変化を感じることがあります。ずっと以前は、日本の多くの企業が”長期経営ビジョン”を立て、その目標に向かって軌道修正しながら長期的視野で経営をしていたように思います。最近では、環境の変化が激しく 先行き不透明な時代になったこともあり、経営者は”短期の業績”をより重視した経営をしているように思います。しかし、短期業績を上げるために、無理な営業をしたり、自社の利益に偏った交渉をしたりする企業が以前より増えているのではないでしょうか。企業が不正経理をしたとの報道を耳にするのも、こういうことが一因しているように個人的には感じています。
坂本先生は、このような背景からも「無理な短期業績を上げる経営ではなく、継続を重視した”年輪経営”を高く評価する」と言われているのだと思います。
注)詳細は、下記の本に掲載されていますので、ご確認願います。
【amazon】経営者のノート 会社の「あり方」と「やり方」を定める100の指針
経営者のノート 会社の「あり方」と「やり方」を定める100の指針 [ 坂本光司 ]