こんにちは。 坂本光司先生(人を大切にする経営学会会長)は、著書 ”経営者のノート”のなかで「1)企業の”あり方”について、2)経営者の”あり方”について、3)企業の”やり方”について、4)”企業と社員”について、5)”正しくある”ことについて」それぞれ指針を示されています。
本日も、「”正しくあること”について」の一部をご紹介させて頂き、個人的に感じていることについてもお伝えできればと思います。
1.”正しくあること”について⑦
− 正しいことをしている人びとがいたらその人を支援するべきである −
2.”正しくあること”について⑧
− 正しいことをしようとしている人びとの邪魔になるルールには片目をつぶってしまうことだ −
1.”正しくあること”について⑦
− 正しいことをしている人びとがいたらその人を支援するべきである −
⚪️私たちができない正しいことをしている人びとがいたら、
私たちがやるべきことなのはその人を支援することである。
坂本先生は、このように述べられています。「時代の先頭を走っている人や正義感の強い人は、時折その場やその時代の常識を超越した言動をする。このため、そうした人びとは、総じて”異端”とか”変わり者”と呼ばれ、社会全体の理解と協力を得ることが難しい。しかし、『どうみても、どう考えても、その人の言動が正しい』と思える人は決して少なくない。もしそういう人が私たちの周りにいたら、(私たちにできるのは)その人の言動を”陰となり日向となり”支援し続けることである。そういう人を、ひとりぼっちにしてはならない。その人に降りかかってくる熱い火の粉を振り払ってあげることである。私たちは、決して”傍観者”であってはならないのである。」
坂本先生は、「”正しいか、正しくないか”、”自然か、不自然か”で判断すべきである」と言われます。このように考えれば”ものごとを本質的にとらえることができる”と、個人的には思っています。会社組織での話になりますが‥”ものごとの本質をとらえ、そのときの大勢の意見に対して勇気を持って異をとなえてくれる人”がなかにはおられます。ほとんどの人たちはそのときの大勢の意見に賛同しているので、”この人の発言の意図が分からずこの人は孤立してしまう”ことが多いように思います。しかし、私は『”このような人”こそ、貴重で、本当の人財である』と考えています。少なくとも、経営者は”この人の発言に耳を傾けてほしい”と心から思います。企業の将来に大きな影響を与える”岐路の判断”になるかもしれないからです。私も『”この人の発言は正しい”と思ったら、その人を継続的に支援していく』ことを考え、行動していきたいと思います。
2.”正しくあること”について⑧
− 正しいことをしようとしている人びとの邪魔になるルールには片目をつぶってしまうことだ −
⚪️正しいことをしようとしている人びとの
邪魔になるルールには、片目をつぶってしまうことだ。
坂本先生は、このように述べられています。「人には、2つのタイプがある。第1のタイプは、”弱い人や正しい行動をしようとする人を支援するために、必要とあればルールを超法規的に解釈する人”。第2のタイプは、”相手やその行動がどうであれ、規則・慣例を物差しに例外を認めずいつも法規的な解釈をする人”である。土砂降りの雨のなか、開店前の入口で傘をさし震えて待っている”高齢者”や”障がい者”、”乳飲み子をおぶったお母さん”に対し、”見て見ぬふり”をしたり、『開店まであと20分ほどお待ちください』と平然と説明するスタッフがいる。こうしたスタッフが、後者の典型である。もし私がその場のスタッフであれば、ルールには片目をつぶって、躊躇なく『どうぞ、中でお待ちください』と招き入れるだろう。ルールとは 本来”人を幸せにするためにある”ものだから、人を幸せにするための行為はルールを超えて正しいのである。」
坂本先生が言われていることと少し違った観点になるかもしれませんが‥
社会にも、組織にも、皆さんが行動しやすいように、”ルール・規則”がつくられています。それがつくられたときには妥当な”ルール”でも、時を経て時代が変わり、皆さんの意識も変われば、”ルールを変更する”必要が生じることもあるでしょう。また、例えば”企業”の場合、”企業をうまく運営するためのルール”と”社員が幸せに充実して働けるためのルール”とは、違ってくる可能性があるでしょう。”考え方”によって、”ルール”は変わってくるものだと思います。坂本先生の言われるように「”ルール”とは、本来”人を幸せにするためにある”」べきと思うので、それにそぐわないルールには「片目をつぶる」ようにしたいと思います(笑)。
注)詳細は、下記の本に掲載されていますので、ご確認願います。