こんにちは。 坂本光司先生(人を大切にする経営学会会長)は、著書 ”経営者のノート”のなかで「1)企業の”あり方”について、2)経営者の”あり方”について、3)企業の”やり方”について、4)”企業と社員”について、5)”正しくある”ことについて」それぞれ指針を示されています。
本日も、「”企業と社員”について」の一部をご紹介させて頂き、個人的に感じていることについてもお伝えできればと思います。
1.”企業と社員”について 17
− 企業の真実は電話1本でよく分かる −
2.”企業と社員”について 18
− 企業の組織図は逆ピラミッド型にすべきである −
3.”企業と社員”について 19
− 社員には常に夢と希望を与えよ −
1.”企業と社員”について 17
− 企業の真実は電話1本でよく分かる −
⚪️企業の真実は、電話1本でよく分かる。
決して”たかが電話”ではない。
坂本先生は、こう述べられています。「その企業が真に”いい企業”であるかどうかは、”電話1本でよく分かる”。私はかつてこんな経験をしたことがある。
宿泊予約のため、一流と言われているホテルに電話した。電話に出たスタッフに要件を伝え終わると、『わかりました。宿泊予約に替わります』と言ってイライラするほど長い時間待たされた。
また、訪問を要請されたある企業に、日程打合せのため電話をしたときのことである。電話に出たスタッフから、無愛想な声で『社長はいません。何時に帰るかわかりません。明日もう一度電話してください』と言われた。経営者と社員間の情報共有が全くなされていないのである。
いずれの企業も、スタッフのレベルがお粗末で、二流企業である。このホテルにもこの企業にも、私は未だに訪問していないしそのつもりもない。”たかが電話1本”ではないのである。」
坂本先生は、8,000社を超える企業を訪問され調査をされています。それ以上に、企業への電話連絡は多いと想像しています。ゆえに、ここで例示されている分かりやすい事例ばかりではなくいろいろな状況を実際に経験され、”たかが電話ではない”と言われています。最近は情報過多で、一般的な情報だけでは選択肢が多くてなかなか判断できないことが多いように思います。そんなとき、私も”電話による対応”で判断をしていることが多いようです。特に、レストランやホテルなど接客業の企業に対しては、私も”2度と活用しない”と考えたことがあるのですから。
2.”企業と社員”について 18
− 企業の組織図は逆ピラミッド型にすべきである −
⚪️企業の組織図は、ピラミッド型ではなく
逆ピラミッド型にすべきである。
坂本先生は、こう述べられています。「世界の大半の企業の組織図は、”ピラミッド型”である。社長や会長を最上位に役員・部長、課長・係長とつづき、圧倒的多数の一般社員は最下位に位置する。しかし、こうした”ピラミッド型”の組織図は間違っている。この組織図では、”日常的に顧客に接しその満足度を高めることが最大の使命である一般社員”が最下層となり、”企業の盛衰を決定する顧客”はさらにその下に位置づけられてします。”顧客のために企業が存在する”のでなく、”企業のために顧客が存在する”と言っているような組織図である。社長や幹部社員の最大の使命と責任は、”一般社員が価値ある仕事をしてくれるよう『よい職場環境づくりをする』こと”である。上位者が社員を支え助けるのが、本来の組織なのだ。最上位を一般社員とし最下位を社長とする”逆ピラミッド”の組織図が正しいのである。」
”経営者のノート”の”企業のあり方11”で「社長は、社長という仕事をする社員のことをいう」と述べられています。また、”経営者のあり方①”で「経営者の主たる仕事は『企業が向かうべき方向の明示』『やるかやらないかの決断』『よい職場環境の整備』『組織の先頭にたつ』『後継者の育成』だけである」と述べられています。坂本先生は「社長と一般社員とは”役割が違う”だけで、ピラミッドのような上下関係ではない」と言われていのだと私は理解しています。「企業の盛衰を決定する顧客に接し、満足度を高めてくれる一般社員が働きやすいように、”よい職場環境づくり”をすることが社長の大切な役割の1つである。」と述べられているのです。
3.”企業と社員”について 19
− 社員には常に夢と希望を与えよ −
⚪️社員には常に夢と希望を与えよ。
坂本先生は、こう述べられています。「人間は誰でも、夢と希望がみえる仕事や苦労はどんなにつらくても耐えて前へ前へ進むことができる。だからこそ、企業の経営者や幹部社員は、社員に”企業の未来・夢と社員個人の夢・希望”を明示しなければならない。もちろん、その未来・夢は、組織を構成する全員が願うものでなければならないことは当然である。”企業の未来・夢”は、”企業の社会的公器としての将来ビジョン”であり、”個人の夢・希望”は”社員とその家族1人ひとりの未来”である。人財不足や離職の増大、社員のモチベーションの低下に嘆く企業の最大の原因は、今日への不満というより”夢と希望がみえない明日への不安”からなのである。」
私自身のことを振り返ると‥常に会社の”将来ビジョン”や”経営方針”を反芻し、”自身の立場で何をすべきか”考え、行動してきたように思います。それが自身のモチベーションとなり、行動指針になっていたと感じています。その”将来ビジョン”に将来に対する夢や希望がなければ、「何のためにここに所属しているか、どんな行動をすればいいか」分からなくなるでしょう。坂本先生が「社員に常に夢と希望を与えよ」と言われる心は、そこにあるのだと思います。
注)詳細は、下記の本に掲載されていますので、ご確認願います。