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坂本光司先生の経営学:「企業と社員」について(6)

投稿日:2020年10月22日 更新日:

こんにちは。 坂本光司先生(人を大切にする経営学会会長)は、著書 ”経営者のノート”のなかで「1)企業の”あり方”について、2)経営者の”あり方”について、3)企業の”やり方”について、4)”企業と社員”について、5)”正しくある”ことについて」それぞれ指針を示されています。

 本日も、「”企業と社員”について」の一部をご紹介させて頂き、個人的に感じていることについてもお伝えできればと思います。

1.”企業と社員”について 11
 − 成果主義では大家族的経営はできない −

2.”企業と社員”について 12
 − 最高の教育は”教えさせる教育”である −

 

1.”企業と社員”について 11
 − 成果主義では大家族的経営はできない −

⚪️成果主義では大家族的経営はできない。

 坂本先生は、こう述べられています。「社員の競争心・やる気を高めるという口実で成果や業績に重きをおいた評価制度を導入する企業が数多くある。しかし、私はこうした考え方に賛同できない。なぜなら、企業経営をスポーツに例えれば、個人戦ではなく”団体戦・チーム戦”だからである。チームには、スポットライトに照らされる花形の選手もいれば、そうでない選手もいる。ベンチで声をからして応援するチームメイトや万が一に備える準レギュラーの選手もいる。みんなにそれぞれの役割があり、誰が欠けてもチームは成立しない。同様に、企業にも、華やかな目立つ職場や仕事もあるが、目立たない縁の下の力持ちのような職場や仕事もある。すべての企業は、そんなふうに成り立っている。だからこそ、社員間にWin-Loseの関係を発生させたり、仲間意識を希薄化させる成果主義は危険なのである。

 経営者や幹部社員から見れば‥企業内で光が当たる花形社員の人たちにいい評価を与えがちになります。しかし、花形社員が活躍できるのは、その影で地道に黙々と仕事をしてその活動を支え続けている社員がいることを、常に心に留めておかなくてはならないと私は思っています。以前所属した企業で、私は事業部スタッフ部門のマネジャーをしていたことがありました。そこの仕事は”営業部門の支援部隊”で、縁の下の力持ち的な役割でした。製品やサービスの品質の維持向上を図るとても大切な役割ですが、”新製品の開発”や”売上高の拡大”などからすると、目立たず、光が当たらない部署でした。私は、この部署と着実に業務を進めてくれている部員たちの役割の重要性を理解して頂くために「毎年、社長や経営者から”その部署の社員を表彰”」してもらうようにしていました。経営者を始め、他の部署の幹部社員に”この部署と部員の役割の重要性”を理解してもらうためです。坂本先生が言われるように「皆んなそれぞれの役割があり、誰が欠けても組織は成り立たない」ことを、組織の皆んなが意識することがとても大切だと考えています。

 

1.”企業と社員”について 12
 − 最高の教育は”教えさせる教育”である −

⚪️最高の教育は、教える教育ではなく
 教えさせる教育である。

 坂本先生は、こう述べられています。「企業は人財業であり、人材育成業である。社員が成長した分だけ、企業は成長する。だからこそ、好不況にかかわらず、社員教育にお金と時間をかけることが重要である。教育効果をより高めるためには、”教える教育”より”教えさせる教育”のほうがはるかに効果的だということだ。”教えさせる教育”とは、先輩社員を講師にして後輩社員を教育する、一般社員を講師にして全社員や部内を対象に話をしてもらう、という教育である。”教えさせる教育”は、”教える教育”の数倍以上社員に圧がかかるが、それ以上に社員が成長するのは間違いない。」

 以前も紹介しましたが‥東京都新宿区にある”水上印刷”は、「日本一勉強する会社」を目指し、社員教育に徹底的に取り組んでいます。2016年には、社内講師陣による社内教育機関”MIC・ACADEMY”を設立しました。ここの特徴は、”講師を社員が努める”ことで、教える内容も事業に直接関係する”印刷技術”の他に”経営”、”ビジネス実務”、”人材開発”、”マーケティング”など多岐にわたっています。この”社員同士の双方向の教育”によって自分たちを磨き、1人ひとりがプロとして成長していくのです。そして、お客さまの困りごとを解決するための最適な提案ができる力が強化されているのです。

 

注)詳細は、下記の本に掲載されていますので、ご確認願います。

 

-人を大切にする経営

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今まで、企業、団体でいろいろな仕事をさせて頂き、多くの方々のご支援を頂きました。そのご恩返しとの想いもあり「みんながともに安定し豊かに生きられる社会」になればと活動を始めました。「”人を大切にするいい会社、組織”が増え、そこに関わる人や企業が増えるための支援活動」ができればと考えています。