こんにちは。 坂本光司先生(人を大切にする経営学会会長)は、著書 ”経営者のノート”のなかで「1)企業の”あり方”について、2)経営者の”あり方”について、3)企業の”やり方”について、4)”企業と社員”について、5)”正しくある”ことについて」それぞれ指針を示されています。
本日も、「企業の”やり方”について」の一部をご紹介させて頂き、個人的に感じていることについてもお伝えできればと思います。
1.企業の”やり方”について 23
− リストラはやがて企業を滅ぼす −
2.企業の”やり方”について 24
− 冷たい大企業が捨てられる日は近い −
1.企業の”やり方”について 23
− リストラはやがて企業を滅ぼす −
⚪️リストラはやがて企業を滅ぼす。
坂本先生は、こう述べられています。「企業の業績が悪化すると、多くの経営者は希望退職者の募集など、社員のリストラを行う。家畜や原材料ではないのである。不況のたびにこんな理不尽な仕打ちを受けている人びとが、企業への愛社心や忠誠心をもつはずがない。企業に不信感を持った社員が、顧客に感動を与えるような商品やサービスを創造・提案するはずがない。それどころか、そうした企業にはいずれ見切りをつけるだろう。そして、やがて企業はもぬけの殻になる。」
私事ですが‥ずいぶん以前に私の元所属していた企業も”リストラ”を行い、昨日まで一緒に働いていた仲間が”1人去り、また1人と企業を去っていきました”。私からみれば「その企業の方針に従い 現場で一生懸命働いてきた彼らは、みんな優秀で、彼らが去ると企業にとっての”損失”だと感じていました。なぜ、彼らが企業を去らなければならないのか」どうしても納得がいきませんでした。社内留保も それなりにある状況だったと思いますので‥。
その十数年後、私は「フィールドを変えたい」と思い、結果的に他の組織に転職することになります。坂本先生が言われるように”見切りをつけた”わけではありませんが、「どこか、今までのように情熱を燃やして仕事に励むことができなくなった」ように感じていました。それで、”フィールドを変える”ことを望んだのです。
「”最近の新入社員は、3年以内に企業を退職する人が多い”と聞きます。その企業から”仲間としてではなく、機械の部品のように扱われている”と感じて、退職する人もいるのではないでしょうか。」
2.企業の”やり方”について 24
− 冷たい大企業が捨てられる日は近い −
⚪️冷たい大企業が中小企業から選別され、
捨てられる日は近い。
坂本先生は、こう述べられています。「多くの中小企業は、大企業がこれまで行ってきた理不尽な外注政策に泣かされてきた。しかしこれからは、”大企業が中小企業から選ばれる、あるいは捨てられる”時代になっていくであろう。理由の1つは、”優秀な中小企業は、自社製品を創造して脱下請け・自立化の道を歩もうとしている”からである。また、”特定の企業への依存度を戦略的に低下させようという動きも顕著になっている”からである。もう1つの理由は、”いわゆるおんぶにだっこ型の中小企業は、廃業の道を選ぶケースが続出している”からである。そうした中小企業の減少や頼りになる中小企業の大企業離れは、今や組立産業化・ファブレス企業化している大企業の存立基盤そのものを根底から揺るがすことになる。」
大阪に、1個の注文にも応じる”東海バネ工業”という会社があります。当初は大手企業の下請け受注をしており、値下げ要請にも応じる儲からない会社でした。社長の欧州視察で気づきがあり、”決して値引きをしない会社”へと転換致しました。創業より「ここでしかつくれないものをつくる」という経営方針でしたので、熟練した職人の技を大切に継承しており、高い技術力を有していました。そのことと”ITを活用して納期遵守を可能にした”ことが、”値引きをしない会社への転換”を可能にしたのです。
今では、値引き交渉してくる企業には「他社をお探しください」ときっぱりお断りするとともに、納期についても「当社の都合をご理解いただいたお客さまの注文にのみ応じるようにしています」とお伝えするそうです。
注)詳細は、下記の本に掲載されていますので、ご確認願います。