こんにちは。 坂本光司先生(人を大切にする経営学会会長)は、著書 ”経営者のノート”のなかで「1)企業の”あり方”について、2)経営者の”あり方”について、3)企業の”やり方”について、4)”企業と社員”について、5)”正しくある”ことについて」それぞれ指針を示されています。
本日も、「企業の”やり方”について」の一部をご紹介させて頂き、個人的に感じていることについてもお伝えできればと思います。
1.企業の”やり方”について 19
− 最高の営業は”営業をしない営業”である −
2.企業の”やり方”について 20
− 企業経営は団体戦・チーム戦である −
1.企業の”やり方”について 19
− 最高の営業は”営業をしない営業”である −
⚪️最高の営業は、営業をしない営業である。
坂本先生は、こう述べられています。「営業に多くの社員を投入している企業や、多額の広告宣伝費用をかけている企業があるが、それがいい企業というわけではない。いい企業は、”営業をしない営業”を実践しているのだ。”営業をしない営業”とは、リピーター率を高める営業であり、顧客の口コミ・紹介を増やしていく営業である。こうした企業においては、顧客はまるで”社員、ファン、サポーター”のようである。「私のお店」「私が見つけた自慢の商品」とばかりに、たくさんの知人や友人に拡散している。逆に、それらが少ない企業は、新規顧客の開拓・確保に躍起になり、社員に営業ノルマや社員同士の競争を課して心身ともに苦しめるのである。」
群馬県高崎市に、”まるおか”というスーパーがあります。お客さまが「本当においしい」と思うものだけを扱うお店です。ここは、通常のスーパーと異なり”チラシや広告では売りません”。「いいもの、お客さまが欲しがる商品は、時間がかかるが必ず売れるようになる」と社長さんが言われるように、口コミで遠方から2時間かけて来店するお客さまも数多くおられます。「安全でおいしいから買いにくる」と、お客さまがお客さまを呼んでくるのです。”まるおか”の利益率や購買単価は、平均のスーパーを大きく上回っています。規模は小さいながらとても付加価値が高い店なのです。時間をかけてお客さまと信頼を築くことで、規模にかかわらず生産性が向上することが分かります。
2.企業の”やり方”について 20
− 企業経営は団体戦・チーム戦である −
⚪️企業経営は個人戦ではなく、
団体戦・チーム戦である。
坂本先生は、こう述べられています。「企業経営は、スポーツに例えると、野球やサッカー、バレーボールなどのチーム戦・団体戦である。スポットライトが当たるポジションのメンバーも、ベンチを温め続けるメンバーも、勝利すれば全員で美酒に酔いしれ、敗退すれば全員が悔しい酒に涙する。これが、チームである企業経営の原理・原則である。しかし、企業経営をまるで社員同士の個人戦のように考えている経営者が多い。そんな経営をしていたら、企業内に”お互いさま風土”など醸成されるわけがない。それどころか、ギスギス感がはびこり、社員同士の足の引っ張り合いになってしまう。そんなチームが、勝てるわけがないのである。」
長野県塩尻市に、”サイベックコーポレーション”という会社があります。超精密部品の金型開発やプレス加工を行う会社ですが、経営者と社員の関係がまるで”大家族”のように経営を進めています。社長はこう述べられています。「設備にしろ、金型にしろ、社内にはいろいろな技術があります。ただ、それを生みだしているのは人財であり、人財なくしてモノづくりはできません。会社、商品、サービスは、すべて社員から生まれているので、会社の魅力とは社員そのものだと思っています。常に心がけていることは、会社内でいかに本当の家族でいるような生活習慣をつくるかです。それがあることで、社員は心に余裕を持つことができ、いい仕事ができると思っています。」こういう会社だからこそ、発展を続けることができるのだと思います。
注)詳細は、下記の本に掲載されていますので、ご確認願います。